Why / How は、物事を考えたり説明したりする時に、「なぜそれをするのか」「何のために行うのか」という目的や意味に意識が向きやすいか、それとも「どのように進めるのか」「具体的に何をすればよいのか」という方法や手順に意識が向きやすいかという思考傾向です。
Why タイプは、目的・理由・意味・価値など、やや抽象度の高い情報に関心を持ちやすいタイプです。
一方、How タイプは、方法・手順・段取り・具体的行動など、実行に関わる情報に関心を持ちやすいタイプです。
Why はチャンクアップ、つまり抽象化の方向と関係が深く、How はチャンクダウン、つまり具体化の方向と関係が深いと言えます。それぞれの傾向を持つ方の特徴は次の通りです。
・Whyタイプ
Why タイプの方は、新しい情報や課題に触れた時、「なぜそれをするのか?」「何のために必要なのか?」「それにはどんな意味があるのか?」という目的や理由に意識が向きやすい傾向があります。
心理的な特徴としては、
・物事の背景や目的を理解したい
・意味や価値が感じられると、強く動機づけられる
・全体像やビジョンを大切にする
・細かい手順よりも、方向性や理念を重視しやすい
・「そもそも何のために?」という問いを持ちやすい
といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。
よく使う言葉:
「なぜ?」
「何のために?」
「目的は?」
「意味がある」
「本質的には」
「そもそも」
「価値がある」
「目指す方向は?」
「どんな意義があるの?」
・Howタイプ
How タイプの方は、新しい情報や課題に触れた時、「具体的にどうすればよいのか?」「最初に何をすればよいのか?」「どんな手順で進めるのか?」という方法や段取りに意識が向きやすい傾向があります。
心理的な特徴としては、
・具体的な手順や方法がわかると安心しやすい
・実行可能な計画や段取りを重視する
・抽象的な理念よりも、現実的な行動に関心が向きやすい
・「まず何をするか」「次にどう動くか」を考えるのが得意
・やるべきことが明確になると行動に移しやすい
といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。よく使う言葉:
「どうやって?」
「具体的には?」
「手順は?」
「方法は?」
「まず何から?」
「次に何をする?」
「いつまでに?」
「誰がやる?」
「実際にはどう進めるの?」
Why / How を活用するポイント
・強みを活かす
Why タイプの方は、目的や意味を考えることが得意です。理念を整理したり、方向性を示したり、人に「なぜこれが大切なのか」を伝えたりする場面で力を発揮しやすいでしょう。一方で、具体的な手順に落とし込むことが苦手な場合があります。そのため、Why タイプの方は、自分の中で目的が見えたら、「では、最初の一歩は何か?」と How に降ろして考えることが大切です。
How タイプの方は、具体的な行動や手順を整理することが得意です。計画を立てる、役割分担をする、マニュアルを作る、実行に移すといった場面で力を発揮しやすいでしょう。一方で、目的の確認を飛ばしてしまうことがあります。そのため、How タイプの方は、具体策を考える前後に、「これは何のためにやるのか?」と Why に戻って確認することが大切です。
理想的なのは、Why と How のどちらか一方に偏るのではなく、目的と手順を行き来できることです。
たとえば、
Why:何のために行うのか
How:では、具体的にどう進めるのか
という順番で考えられると、方向性も実行力も高まりやすくなります。思考傾向であるため、柔軟に行き来することは簡単ではないかもしれません。まずは自分のタイプを理解すること、そして自分がどちらかのタイプに偏っていると感じられたら、時々反対のタイプの考えも取り入れてみること。そうすることで相手が異なるタイプであった時に反発しづらくなっていきます。
・コミュニケーションを改善する
Why タイプの方と How タイプの方で話し合うと、次のようなズレが生じることがあります。
例.
How:「ではこの企画の役割分担を・・・」
Why:「待って。この企画は何のためにやるの?目的は?」
How:「気持ちは分かるけど、やることはほぼ決まりなんだから、具体的に誰が何をするのか、役割分担を決めた方がいいんじゃない?」
Whyタイプ:「・・・」

この時、Why タイプの方は「目的が不鮮明だから確認しているのに、そこを無視するなんて!」と憤るかもしれません。一方、How タイプの方は「いつもなぜなぜ、そこばかりこだわって、だからいつまでも行動に移せない」と感じるかもしれません。
しかし、これはどちらかが間違っているというより、見ている焦点が違うだけです。もし How タイプの方がメタプログラムを理解していれば、次のように返せるかもしれません。
例.
How:「ではこの企画の役割分担を・・・」
Why:「待って。この企画は何のためにやるの?目的は?」
How:(ああ、そうだった。この人はWhyタイプなんだ。)
「そうだね、この企画は利用者さんに安心感を届けるためのものだと思ってる。どう、目的と内容に一致感は感じる?」
Why:「うーん、まあ確かにそうだね」
How:「じゃあ具体的な役割分担を考えていこうか。」

このように、Why と How の違いを理解しておくと、「相手は違うタイプなので、違う焦点で見ているだけなのかもしれない」(チャンクアップすると部門を成功させたい点は同じ)と捉えやすくなります。
・寄り添いに活用する
相手の気持ちに寄り添うには、相手が Why に関心を持っているのか、How に関心を持っているのかを見極めることが大切です。
Why タイプの方は、目的や意味を大切にする傾向があります。カウンセリングなど気持ちを傾聴する時には、まずは「相手が話していること(例えばお悩み)は、その人にとってどんな意味を持っているのか」「何をこの人は大切にしている(こだわっている)のか」を丁寧に聴くことが大切です。
たとえば、「~さんは、~という価値観をとても大切にされているからこそ、~という状況に意味を感じられず辛いのですね」という感じですね。ただし、Why の話だけが続くと、抽象的な会話が続き、もし具体的な解決を要する相談の場合、具体的な解決に行きつかない場合があります。もし具体的な解決を要する相談の場合には、
「もしよろしければ~について、もう少し具体的にお話しいただいてもいいですか?」
「もしよろしければ、この問題の解決に向けて既に試みられたことをお聴きしていいですか?」
という感じで、具体性、Howに橋渡ししていくことも大切です。
How タイプの方は、具体的な方法や行動を大切にする傾向があります。カウンセリングなど気持ちを傾聴する時には、具体的な事実(何が起きて、どう対応したのか)を中心にお話を伺い、その事実に付随する感情を大切に扱ったり、これからどうしたいかというHowを中心にお聴きしていくことが役に立ちます。
たとえば、「次に同じようなことが起きたら、どうしたいですか?」
「ただ、その~したいというのが、簡単ではないのかなと思います。それが難しいのはどういったところがありますか」といった関わりが役に立つでしょう。ただし、How の話ばかりが続くと、「行動のための行動」という感じで、意味のない若しくは本来の目的と離れた活動が続いてしまう恐れがあります。そのため、必要に応じて、
「その行動は~さんにとってもどのように役に立ちそうですか」
という感じでやんわりと Why に橋渡しすることで、行動の方向性が定まりやすくなります。
まとめ
Why / How は、「なぜ行うのか」という目的や意味に意識が向きやすいか、「どのように行うのか」という方法や手順に意識が向きやすいかという思考傾向です。
Why タイプは、目的・意味・価値・ビジョンを大切にします。
How タイプは、方法・手順・段取り・具体的行動を大切にします。
どちらが良い悪いというものではなく、それぞれに強みと弱みがあります。
Why があるから、行動に意味や方向性が生まれます。
How があるから、目的が現実の行動に変わります。
大切なのは、自分や相手がどちらに偏りやすいかを知り、必要に応じて Why と How を行き来できるようになることです。 もしあなたが相談を受けることが多いのであれば、相手が「理由や意味を整理したい」のか、「具体的な方法を知りたい」のかを見極めることで、より相手に合った寄り添い方ができるようになるかもしれません。
