時計 2026.08.16
メタプログラム

11. Non-Screener / Screener(非選別型 / 選別型)

月別アーカイブ

人気記事

11. Non-Screener / Screener(非選別型 / 選別型)

非選別 / 選別は、物事や相手から入ってくる情報を「広く取り込む」ことを好むか、「必要な情報に絞り込む」ことを好むかという思考傾向です。言い換えると、たくさんの情報を同時に意識しながら全体を捉えようとするタイプか、情報を選別して重要な部分に焦点を当てようとするタイプか、という違いです。

非選別 / 選別それぞれの傾向を持つ方の特徴は次の通りです。

・非選別タイプ
非選別タイプは、外から入ってくる情報をあまり強く選別せず、広く取り込もうとします。多くの情報や複数の要素を同時に意識しながら、全体像やつながりを捉えようとする傾向があります。心理的な特徴としては、

・全体像や文脈を大切にする
・複数の要素を同時に考えようとする
・細かい情報や背景、経緯も含めて理解したい
・「全部大事」「いろいろ関係している」と感じやすい
・情報を絞り込むより、まずは広く受け取ることに安心感を覚える

といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。

よく使う言葉:
「全体的に」
「いろいろある」
「全部関係している」
「どれも大事」
「まず全体を見たい」
「背景も含めて知りたい」
「なんとなく全部つながっている」

・選別タイプ
選別タイプは、外から入ってくる情報の中から、必要なものと不要なものを選別しようとします。たくさんの情報をそのまま受け取るよりも、重要な部分、結論、要点に焦点を絞って理解しようとする傾向があります。心理的な特徴としては、

・要点や結論を重視する
・情報を分類したり、優先順位をつけたりすることが得意
・不必要な情報や冗長な説明をカットしたい
・一つのことに集中して深く考えることが得意
・話が広がりすぎると、集中しづらくなる

といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。

よく使う言葉:
「要するに」
「結論は?」
「一番大事なのは?」
「ここだけ見ればいい」
「一点に絞ると」
「優先順位をつけると」
「重要なポイントだけ教えて」

確実 / 不確実 を活用するポイント

・強みを活かす
非選別タイプの方は、多くの情報を同時に取り込み、全体像や文脈を把握することが得意です。複雑な状況を多面的に見たり、さまざまな要素のつながりを感じ取ったりすることに強みがあります。一方で、情報を広く受け取りすぎるため、話が広がりやすかったり、まとまらなかったり、優先順位をつけることが苦手だったりする場合があります。また、あれもこれも大事に見えてしまい、何から取り組めばよいか迷いやすいこともあります。

選別タイプの方は、その反対ですね。必要な情報を絞り込み、重要なポイントを見つけることが得意です。情報整理、優先順位づけ、焦点化、分析、精密作業などに強みがあります。一方で、情報を絞り込みすぎるため、情報を切り取って全体像や背景を見落としたり、他の人が大切にしている文脈を軽く扱ってしまったりすることがあります。また、詳細や背景を話したい人に対して「結論だけでいい」と急かしてしまうこともあるかもしれません。

このタイプを状況に応じて柔軟に使い分ける器用さがあればとても素敵ですし、それが望ましいと言えるかもしれません。しかし、このタイプもある程度その人の認知スタイルと紐づくため、どちらかに偏っている方も多いと思います。大切なのは、自分の強みを活かしつつ、弱い部分は他者の力を借りて相互補完を図ることです。

・コミュニケーションを改善する
非選別タイプの方と選別タイプの方で話をすると、次のようなズレが生じることがあります。

例.
非選別:「今月の売上目標未達についてですが、シフトの影響、天候、時事ニュースをうまく活用しきれなかったこと、ほかにも・・・」
選別:「で、結局一番の問題は何?」
非選別:「・・・」

あくまで情報処理の傾向が違うだけですが、非選別タイプの方は「折角一生懸命調べたのに、聴いてもらえないんだ」と感じてしまうかもしれません。一方、選別タイプの方は「何が言いたいのか分からない、くどい」と感じている可能性があります。もし、非選別タイプの方がメタプログラムを学んでいると、次のように切り返せるかもしれません。

例.
非選別:「今月の売上目標未達についてですが、シフトの影響、天候、時事ニュースをうまく活用しきれなかったこと、ほかにも・・・」
選別:「で、結局一番の問題は何?」
非選別:(ああ、そうだった。B課長は選別タイプなんだった。)
「はい、第一の問題はこのシフトの配置にあったと思います。」
選別:「ふむ。もう少し詳しく説明してくれない?」

また、メタプログラムを理解していることで、自分の話が否定されたのではなく「情報の扱い方が違うから、求めている話し方が違うだけ」と捉えられるようにもなります。

・寄り添いに活用する

相手の気持ちに寄り添うには、相手のタイプを理解することがとても大切です。

非選別タイプは、全体像や背景、細かい経緯も含めて受け取ってもらえることに安心感を覚えやすいです。カウンセリングなど気持ちを傾聴する時には、お話を伺っていてまとまらないなと思っても、急いで要約しようとせず、まずは話したいだけ話してもらうことが大切です。一通り、話をしてもらってひと段落着いたところで要約したり、要約の後に、「今日は~と~と~についてお話しいただきましたけれども、この後、どの点についてより深めていきたいですか?」という感じで、カウンセリングであれば主訴を絞り込むことが役に立つかもしれません。愚痴を聞いて!という感じであれば、相手の心の中でたくさんの思考、感情が浮かび上がっていることを理解し、「こういった状況があって、こういった思考があるから(こう感じたから)、こういう感情なんだね(イライラしたんだね、確かにそうだよね)」ということを伝え返せると(そしてそれが的を射ていると)、相談する側も「そうそう、そうなんだよ!」ととてもスッキリした気持ちになると思います。

選別タイプは、話の焦点が明確であることや、時間を効率的に使えていることに安心感、納得感を覚えやすいです。カウンセリングなど気持ちを傾聴する時には、話を定期的に整理して要約を加えていくことがとても役に立ちます。 もし選別タイプの方が、まとまらずモヤモヤしている時には、お話を丁寧に整理したうえで、モヤモヤしている思考・感情の図式や、選別したいのに選別できない背景を伝え返すことができると、相手はとても嬉しい気持ちになるかもしれません。たとえば、「早く解決したいけれども、原因が多岐にわたりすぎて、どれが主要因なのか、どういった因果関係なのか。それが現時点ではつかめずにいる。そこにイライラが募っているのですね。(はやく原因を一つに絞りたいですよね)」という感じです。

まとめ

上記はあくまで一般例です。

ただ、もしあなたが相談を受けることが多いのであれば、相手が「広く話したい(まとまらなくても気にならない)タイプ」なのか、「焦点を絞って話したい(まとめたい)タイプ」なのかを見分けられると、関わり方を調整しやすくなります。

非選別タイプには、まずまとまらなくてもいいので、話したいことを丁寧に受け止めること。
選別タイプには、適宜要点や優先順位を整理しながら伝え返していくこと。 この違いを理解しておくと、相手は「自分の事をよく理解してくれている(自分の話し方に合った形で聴いてもらえている)」と感じやすくなり、相談してくる人はよりあなたへの信頼感を増すかもしれません。

この記事の筆者

秋吉 藤吾

秋吉 藤吾

やすらぎカウンセリングオフィス 代表。4つの心理療法・心理学をベースに、一人ひとりの心の声に丁寧に耳を傾けることを大切にしています。