時計 2026.11.07
メタプログラム

24.Toward / Away(接近型 / 回避型)

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24.Toward / Away(接近型 / 回避型)

接近型と回避型は、人が行動を起こす際の「動機づけの向き」を示す思考傾向です。望む目標や報酬に近づくことを原動力とするか、それとも望まない結果やリスクから遠ざかることを原動力とするかという違いがあります。それぞれの傾向を持つ方の特徴は次の通りです。

・接近型
目標、成功、達成、成長、報酬など、「手に入れたいもの」に意識が向きやすい傾向があります。心理的な特徴としては、

  • 理想の状態やゴールを描くことでやる気が出やすい
  • 「どうなりたいか」「何を得たいか」が明確になると行動しやすい
  • 可能性やチャンスに目が向きやすく、前向きに進もうとする
  • 反面、リスクや問題点を見落としやすいことがある

といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。

よく使う言葉
「達成したい」「手に入れたい」
「目指したい」「成長したい」「もっと良くしたい」
「成功したい」「前に進みたい」
「メリット」「売上を上げる」「~を得たい」

・回避型
失敗、損失、問題、危険、不安など、「避けたいもの」に意識が向きやすい傾向があります。心理的な特徴としては、

  • 問題を回避すること、リスクを減らすことによってやる気が出やすい
  • 「何を避けたいか」「何が起きると困るか」が明確になると行動しやすい
  • 危険や欠点に敏感で、予防策や安全策を考えるのが得意
  • 反面、心配が強くなりすぎると、新しい行動に踏み出しにくくなることがある

といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。

よく使う言葉
「避けたい」「失敗したくない」「防ぎたい」
「悪化させたくない」「損したくない」
「怒られたくない」「困らないようにしたい」
「何が問題?」「どんなリスクがある?」

接近型 / 回避型 を活用するポイント

・強みを活かす
接近型の方は、目標を描き、前向きに進む力があります。ビジョンを語ったり、人を巻き込んだり、新しいチャレンジに向かう場面では大きな強みを発揮します。しかしながら、得られるものに意識が向きすぎると、リスクや障害への備えが不足することがあります。

回避型の方は、問題を見つけ、リスクを予測し、失敗を防ぐ力があります。安全管理、品質管理、危機管理、慎重な判断が必要な場面では大きな強みを発揮します。しかしながら、避けたいものに意識が向きすぎると、不安が強くなり、行動が止まってしまうことがあります。

どちらが良い悪いということではありません。大切なのは、自分がどちらに偏りやすいかを知り、必要に応じてもう一方の視点も取り入れることです。接近型が強い方は「どんなリスクに備える必要があるか」を考えるとバランスが取れます。回避型が強い方は「それを避けられた先に、どんな良い状態を目指したいか」を考えると、前向きな行動につながりやすくなります。

・コミュニケーションを改善する
接近型の方と回避型の方で議論すると、次のようなズレが生じることがあります。

例.

接近型:「この企画がうまくいけば、かなり大きな成果につながると思うんだよね!」

回避型:「でも、失敗した時のリスクはちゃんと考えてる?予算超過もクレームも起こり得るよね。」

接近型:「・・・」

あくまで動機づけの方向性が違うだけなのですが、接近型の方は「せっかく前向きに話しているのに水を差された」と感じるかもしれません。一方、回避型の方は「必要なリスク確認をしているだけなのに、なぜ嫌がられるのか」と感じるかもしれません。

もし、接近型の方がメタプログラムを学んでいると、次のように切り返せるかもしれません。

例.
接近型:「この企画がうまくいけば、かなり大きな成果につながると思うんだよね!」

回避型:「でも、失敗した時のリスクはちゃんと考えてる?予算超過もクレームも起こり得るよね。」

接近型:(ああ、そうだった。Aさんは回避型が強いんだった。リスクを見てくれているんだな。)「確かに、その視点は大事だね。リスクを確認したうえで、どうすれば成果につなげられるか一緒に考えてもらえる?」

回避型:「うん。まず気になるリスクは3つあって・・・」

このように捉えられると、「反対された」「否定された」と受け取るのではなく、「相手は別の角度から安全性を確認してくれている」と理解しやすくなります。

・寄り添いに活用する

相手の気持ちに寄り添うには、相手が何によって動機づけられているのかを理解することが大切です。

接近型は、目標、成長、理想、達成に意識が向きやすい傾向があります。カウンセリングなどにおいては、「どうなっていきたいか」「どんな自分でありたいか」「その先にどんな良い変化がありそうか」を一緒に描いていくことが大切です。

回避型は、不安、失敗、問題、危険に意識が向きやすい傾向があります。カウンセリングなどにおいては、いきなり前向きな目標設定を促すよりも、まず「何を避けたいのか」「何が怖いのか」「どんなことが起きると困るのか」を丁寧に聴くことが大切です。そのうえで、「それが少し減ったら、どんな状態になっていたいですか?」と問いかけると、AwayからTowardへ橋渡ししやすくなります。

まとめ

上記はあくまで一般例であって、接近型、回避型それぞれの中にも様々な人がいます。また、仕事ではTowardが強く、健康やお金のことではAwayが強いなど、場面によって変わることもあります。

ただ、もしあなたが相談を受けることが多いのであれば、相手が「何を得たいのか」に動機づけられるのか、「何を避けたいのか」に動機づけられるのかを見立てられるようになると、相手にとってより響きやすい言葉がけができるようになります。

この記事の筆者

秋吉 藤吾

秋吉 藤吾

やすらぎカウンセリングオフィス 代表。4つの心理療法・心理学をベースに、一人ひとりの心の声に丁寧に耳を傾けることを大切にしています。