原因志向 / 解決志向 は、問題や課題に直面した時に、「なぜそうなったのか」という原因や背景を探すことを好むか、「これからどうすればよいか」という解決策や行動を探すことを好むかという思考傾向です。原因 / 解決 それぞれの傾向を持つ方の特徴は次の通りです。
・原因タイプ
原因タイプは、問題が起きた時に、まず「なぜ起きたのか」「どこから始まったのか」「背景に何があるのか」を理解しようとします。心理的な特徴としては、
・原因や背景、経緯を理解することで安心感を得やすい
・問題の構造を深く分析し、再発防止につなげようとする
・何が影響しているのか、誰にどのような責任があるのかを考えやすい
・原因がはっきりしないまま行動することに不安を感じやすい
といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。
よく使う言葉:
「なぜ」
「どうして」
「原因は?」
「背景には何がある?」
「いつから?」
「どこから始まった?」
「何が影響している?」
「昔からこうだった」
・解決タイプ
解決タイプは、問題が起きた時に、原因を細かく掘り下げるよりも、「どうすれば解決できるか」「次に何をすればよいか」「どんな行動が取れるか」を考えようとします。心理的な特徴としては、
・未来や行動、具体的な解決策に意識が向きやすい
・原因が完全にわからなくても、まず一歩進めることを重視する
・選択肢や改善策を出すことで安心感を得やすい
・スピード感を持って物事を前に進めようとする
といった点があげられ、次のような言葉をよく使う傾向があります。
よく使う言葉:
「どうすれば?」
「次に何をする?」
「解決策は?」
「まず何ができる?」
「これからどうする?」
「改善するには?」
「目標は?」
「一歩進めよう」
原因志向 / 解決志向 を活用するポイント
・強みを活かす
原因タイプの方は、原因や背景を丁寧に考えることが得意です。そのため、問題の構造を理解したり、同じ失敗を繰り返さないように再発防止策を考えたりする場面で力を発揮します。カウンセリングにおいても、自分の過去や体験を振り返り、今の悩みとのつながりを理解することに価値を感じやすい傾向があります。しかしながら、原因探しに偏りすぎると、「なぜ自分はこうなのか」「何が悪かったのか」という思考が続き、なかなか行動に移れなくなることがあります。また、原因や責任を明確にしようとするあまり、自分や他者を責める方向に進んでしまうこともあります。
解決タイプの方は、行動や改善策を考えることが得意です。問題が起きても、「では、次にどうするか」と考えられるため、前に進む力があります。ビジネスや緊急対応、短期的な目標達成などでは、非常に大きな強みになります。一方で、原因をあまり見ずに解決策へ進んでしまうと、表面的な対応になり、同じ問題を繰り返してしまうことがあります。また、周囲の人がまだ気持ちの整理をしている段階で、すぐに解決策を提示してしまうと、「気持ちをわかってもらえていない」と受け取られることもあります。
状況に応じてそれぞれのタイプを柔軟に使い分けることができれば、とても大きな力になります。原因を理解することも、解決に向かうことも、どちらも大切です。大切なのは、どちらか一方が正しいと考えるのではなく、場面に応じて必要な視点を補い合うことです。一人で柔軟に行き来するのが難しければ、タイプの違う人同士で役割など相互に補完し合うとよいでしょう。
・コミュニケーションを改善する
原因タイプの方と解決タイプの方で話し合うと、次のようなズレが生じることがあります。
例.
原因:「まず、どうしてこうなったのかを整理しない?」
解決:「そんな余裕ある?まず今できることを決めた方がよくない?」
原因:「・・・」

あくまで思考傾向の違いでお互いの主張をしているだけですが、お互いのタイプに対する理解や思いやりがないと、お互いに「また始まったよ」となるかもしれません。
もし、原因タイプの方がメタプログラムを学んでいると、次のように切り返せるかもしれません。
例.
原因:「まず、どうしてこうなったのかを整理しない?」
解決:「そんな余裕ある?まず今できることを決めた方がよくない?」
原因:(ああ、そうだった。Aさんは解決タイプなんだった。)
「確かに、次に何をするか早く決めないとだよね。ただ、少しだけ原因を整理した上で、具体的な対応を決めていくのはどう?今日中に。」
解決:「(譲歩してきたし、しょうがないか)うん、それならいいね。ちょっと整理してから、すぐに策を練ろう。」

メタプログラムを理解し、お互いの傾向を理解することで、自分の考えが否定されたのではなく、「問題を見る順番が違うだけ」と捉えられるようになります。
・寄り添いに活用する
相手の気持ちに寄り添うには、相手のタイプを理解することがとても大切です。
原因タイプは、原因や背景、そこに至るまでの経緯を理解してもらうことで安心しやすい傾向があります。カウンセリングなど気持ちを傾聴する時には、すぐに解決策を一緒に検討するよりも、まずは「なぜそう感じるようになったのか」「どのような経緯があったのか」を丁寧に聴くことが大切です。感情の反映や意味の反映を行いながら、本人が自分の体験を整理できるように関わるとよいでしょう。
解決タイプは、解決策や次の一歩など見通しが持てることで安心しやすい傾向があります。カウンセリングなど気持ちを傾聴する時には、十分に気持ちを受け止めた上で、「では、これからどうしていきたいか」「まず小さくできること、すぐにできそうなことは何か」といった未来志向の問いかけを行うことが役立ちます。ゴール設定やスモールステップを一緒に考えると、前向きなエネルギーが生まれやすくなります。 たとえば、原因タイプに対していきなり「どうしたいですか?」と聞くと、気持ちが置き去りにされたように感じることがあります。反対に、解決タイプに対して原因分析ばかり続けると、退屈さや停滞感を感じることがあります。相手が今どちらの視点に立っているのかを見極めることが大切です。
まとめ
上記はあくまで一般例です。同じ人であっても、場面や相手によって原因を知りたい時もあれば、早く解決に進みたい時もあります。ただ、もしあなたが相談を受けることが多いのであれば、相手が「今、ここ」で「原因を理解したい」のか「解決策を見つけたい」のか、そのニーズを意識して関わることで、より相手に寄り添いやすくなります。原因を一緒に整理することも、次の一歩を一緒に考えることも、どちらも大切な支援です。
